ディレクター千田へのインタビューを通して、ブランドの背景や物作りの秘密を紐解くコーナー「・・・」。前回に引き続き、2011A/Wシーズンについて話を聞きます。

《3つの素材》
──今シーズンのテーマが「Vintage」ということで、ヴィンテージソファーをモチーフにしたシャツについて前回話を伺いましたが、他にはどういった形でテーマが形になっているでしょうか。
C:ウール杢ツイードの3ピースもそうです。



C:ヴィンテージというテーマから始まったパッチワークを裏地に用いています。
このシリーズはカジュアルなジャケット、ベスト、それとパンツの3アイテムです。
ジャケットが一番わかりやすいのですが、裏地は3素材を組み合わせたパッチワークになっています。
ひとつ目がシルクコットンのペーズリージャガード、ふたつ目はこれも同じ素材、シルクコットンのフラワージャガード、3つ目は無地のキュプラ素材を合わせています。
それぞれとても美しく、実は表地より高価な贅沢使いです。

《ウール杢ツイード》
──表地の素材感もよいですよね。
C:表地に使っているウール杢ツイード素材感もヴィンテージ感の強い素材です。
一般的なトップの織りとは少し異なります。


C:トップは異なる色の糸を織り合せることで色味がまだらになった生地を織り上げますが、この杢ツイードは、織り上げる前の糸の段階、元の1本の糸の段階で複数の色が組み合わさっています。
──糸をまだらに染めているのですか。
C:いえ、違います。
糸にも種類があって、いわゆる綿状の状態から紡いで1本の糸にしただけの「単糸」と、その単糸を撚り合わせて、簡単に言うとねじり合わせて1本にした「双糸」があります。
今回用いた杢ツイード素材は双糸をタテヨコに織って生地にしているのですが、その元の双糸を作るの段階で色の異なる糸同士を撚り合わせています。
──なるほど、それで生地を織る前の糸の段階で色が混ざっているのですね。ウールのツイードは今シーズン注目の要素でもありますね。
C:表のツイードと裏地のクラシカルな素材の組み合わせ、それを製品にして洗いをかけさらに雰囲気を出しています。
パッチワークの裏地はベストにも使っていますし、クラシックパンツは腰部分の裏に用いています。

〈・・・つづく〉